沖縄のサンゴの保全・モニタリング記録

サンゴのモニタリング記録:観察

サンゴの種類ヒメマツミドリイシ
通 称タコサンゴ
天 候曇り
透 明 度12m
水 深3.1m
水 温24.6℃
う ね りほとんどなし
調 査 者山岸
所 見
前日の遺跡ポイントでのミドリイシ産卵報告を受けて、No1のサンゴたちの様子を見てきました~!エントリー直後、水深1~2mの棚の上(チェーンの廻りです)のミドリイシにバンドルをセットした群体をいくつか確認。ミドリイシの多いエリアまで行くと、探す必要は全く無いくらいの群体が産卵の準備をしていました。全体の4割くらいの感じでした。

そして!期待を込めつつタコサンゴくんの元へ。タコサンゴは準備万端で待っていてくれましたよっ!この群体は、コドラートサンゴでは初めて産卵シーンを披露してくれたサンゴなのです。あれは去年のちょうど今頃・・・実に352日ぶりの産卵!

自然の状態でこうした観察記録はあんまり無いんじゃないかなぁと思いながら、じっくりと観察しました。

すると・・・なんということでしょう~!群体の中央よりやや左側で5ヶ所、右下で1ヶ所とがっちり折られてしまっているではありませんか!切断面は白くかなり新しい損傷のように思います。このヒメマツミドリイシは枝も太くしっかりしており、ダイバーのフィンがちょっと当たったくらいでは折れないと思いますが・・・バランスを崩したダイバーがひっくり返ってタンクから落下してしまったのでしょうか?それにしても残念です。(写真上)

さらに損傷箇所を良く見ると、折られた枝の断面から根本にかけては、バンドルをほとんどセットしていません。きっと傷の修復にエネルギーを費やすあまり、バンドルをつくることができなかった(もしくは放出することができなくなった)のではないかと思われます。(写真中)

ともあれ、これまでに幾多の困難を乗り越えてきたタコサンゴですので、このくらいの傷は大丈夫(復活してくれる)のではないかと思えてしまいます。それほどに強い群体です(のように思います)。


22:40、タコサンゴはゆっくりとバンドルを海中に放ち始めました。

また来年もよろしくな~。

【投稿者】

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