沖縄のサンゴの保全・モニタリング記録

サンゴのモニタリング記録:第19回コドラート調査 21

サンゴの種類キクメイシやミドリイシの仲間
通 称触手ワサワサ【死滅後観察】
天 候晴れ
透 明 度15m
水 深6.3m
水 温29.0℃
う ね り多少あり
調 査 者山岸
所 見
わずか50cm四方の海底ですが、今年も様々なドラマに出会うことができました。

コドラート上辺に接していたキクメイシのうち、1群体②が、なんと消失してしまっていました。
昨年までに17年間観察してきていたキクメイシであり、直径20cmほどの半球体でどっしりと岩礁に鎮座し、ソフトコーラルの攻撃・侵食をモノともしてこなかった群体だけに、驚きは大きなものでした。
通常は白化などで死んだとしても骨格が残るわけですが、その痕跡すら残っていません。考えにくいですが、台風の時に大きな衝撃を受けて無くなったのでしょうか。本当に謎です。

①のキクメイシは周辺のソフトコーラルの攻撃が強くなっているのか、ほとんど大きくなっていませんでした。こちらは観察18年目となる群体ですので、なんとかサバイブしてほしいものです。

大きな変化と言えば、コドラート右下の⑦のミドリイシもそっくり無くなってしまっていました。
このミドリイシはわずか3年ほどでグングン成長してきたのですが、こちらも跡形もありませんでした。窪地でうねりの影響を受けなさそうと思っていましたが、海に安全な場所は無かったようです。窪地内にいたクマノミとイソギンチャクは健在でした。良かった。

【投稿者】

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▲台風が続いた影響でしょうか。多くのサンゴが消失していました。どこいった〜?

▲左は生前のキクメイシくんです。17年間の付き合いでしたが、彼はある日突然居なくなってしまいました。。台風なのかな?塊状サンゴがこのように消失することは珍しいと思っています。

▲①のキクメイシ。このサンゴは18年目の観察です。大きくなりませんが、生存し続けていることがすごい。この環境で、周辺のソフト・ハードコーラルたちと戦いながらも共存している。これがサンゴ礁の多様性かと感じさせる群体です。

▲③のサザナミサンゴ(かな)。昨年は大きく成長していましたが、今年は逆に小さくなっていました。右側が痛めつけられているようですので、ソフトコーラルに攻撃されているのかな?

▲④のキクメイシ群。スナギンチャクVSキクメイシの攻防がかなり熱いエリアです。お互い引かずに成長しているようです。今のところ共存共栄。

▲⑤のミドリイシ。昨年はゴリゴリとかじられた痕がありましたが、その傷もほとんど分からないくらいに回復しています!そろそろ上の先輩方との戦いが始まりです。

▲⑥のアザミサンゴは、やや白っぽくなっているのが気になりましたが、ポリプもしっかりと開いており、昨年からも順調に成長していました。

 

▲⑦ここには青く太い枝を持つミドリイシがいたのですが、すっかり居なくなってしまっていました。そのおかげで以前から勢力を伸ばしていた被覆状のサンゴがグイグイと大きくなっているようです。左下にはこちらも10年くらいは定着しているイソギンチャクとクマノミが健在でした。

 

▲⑧昨年から観察を始めたコドラート中央に近いキクメイシ。13ヶ月経ってやっとひと回り大きくなった(莢の数が6から10くらいに増えた感じ)ようです。