沖縄のサンゴの保全・モニタリング記録

サンゴのモニタリング記録:第20回コドラート調査 21

サンゴの種類キクメイシやミドリイシの仲間
通 称触手ワサワサ【死滅後観察】
天 候晴れ
透 明 度15m
水 深7.5m
水 温29.2℃
う ね りなし
調 査 者山岸
所 見
ついに今年(2024年)は1998年の大白化に近い被害が予想される年となってしまいました。
地球規模で起きている白化現象は、南西諸島の島々も例外ではなく、ここ砂辺においても水深3M程度の浅場のサンゴ群体は、ソフトもハードも9割近くが白化している状況でした。

少し深い6mのコドラートサンゴは、なんとか大丈夫かなと思いつつも、やはりモニタリング群体のほとんどが色が抜けてしまっていました。

そんな中、観察開始時からの付き合い(かれこれ19年!)となる①のキクメイシは、やや薄くなったものの、まだまだ生存しています。さすがです。⑦のアザミサンゴに至っては、色の抜けがかなり少ないように感じました。高水温に強い群体なのでしょうか。

他のサンゴについては、残念ながらご覧の状況ですが、いずれもまだなんとか生きています(死んで表面の肉が腐り、骨格のみになると藻が付着します)。

こればっかりはなんともならないのですが、いくつかの群体だけでも、回復してほしいものです。

【投稿者】

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▲並べてみると、一目瞭然。ほぼ全てのサンゴ(周りのソフトコーラルまで)白くなっていますね。。。

▲こちらは長い付き合いになる①のキクメイシ。君だけが頼りなのだよ。今年で19年目。中央に侵入してきたソフトコーラルはほぼ真っ白でした。

▲②のキクメイシとスナギンチャク達。白くなったスナギンチャクから、君にも褐虫藻が共生してたのね、、という学びを得る。右下のキクメイシは拡大中ですね。

 

▲③のミドリイシ。過去の傷も癒えて、いよいよ上のキクメイシ達のバトルのはずが、それどころじゃなくなってしまった。直射日光があまり当たらない枝の付け根部分は、まだ褐虫藻が残っていますね。

 

▲④のサンゴ。写真ではわかりにくいですが、こちらもほぼ真っ白でした。

▲⑤のキクメイシは、本当にゆっくり成長ですね。白化してしまっていますが、莢の数が10から18くらいに増えたようです。一昨年からでは6⇒10⇒18と、かなりスローな成長。

 

▲⑥サザナミサンゴも真っ白に。こちらも一回り大きくはなっています。

 

▲⑦アザミサンゴ。僅かに色が抜けている程度で、ポリプもしっかり開いて元気そうです。頑張れよぅ!